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1126 OOPer: 2006-05-13 05:25:56 1
第18日草原の果てのゴッホ
太っちょ親父の出してくれた卵はできたて熱々だったが、固ゆでだった。朝食に使っている部屋にはレンブラントの模写や肖像などが一杯飾ってあるし、調度類も凝っている。親父さんが一人でやっているんだろうか。

今日の目的地はデホーへヴェールウェ国立公園とその中のクローラーミュラー美術館。昨日の観光案内所のお姉さんの話によると、3カ所ある公園入り口のうちアルネムから一番近い所まではバスで10分、そこから美術館までは約9kmだとさ。無料の貸し自転車があるらしい。
 同じ行き先らしい女の子二人組が降りた停留所で一緒に降りて、のこのこ後ろをついて行く。切符販売の窓口でも同じ事の繰り返し、窓口のお姉さん、ちょっとうざそうにしてた。
 噂のブレーキレバー無しの自転車に乗る。止まるのは、早めに準備をしておけば、それほど難しくない。(ペダルを逆まわしにするとブレーキがかかる。)んが、発進の方が結構面倒くさい。ペダルを逆まわしにして足の位置に合わせる、なんて事ができないから、とりあえず地面蹴って動かしてから乗ってしまわないと仕方ない。下り坂や急ブレーキの時の重心の置き方も難しい。慣れるまではミニバイクやそれより速い自転車ががんがん飛ばしている都市部の道は走らない方がよさそう。(公園内の自転車道はミニバイク禁止。)
 昨日失敗したから地図を買ったのだが、行き先が決まっているなら必要なかった。自転車道は舗装されているし、曲がり角毎に道案内が出ている。うっそうとした森やら大草原やら砂漠地帯やらを抜けて、運動不足の私の足で50分ばかり、雲も殆ど見えない快晴。昨日水買っといてよかった。

看板はあるのに建物が見えない平べったく広いクローラーミュラー美術館、私でも聞いたことがあったんだから知っている人はみんな知っているよね。美術の教科書なんかで見かけたゴッホの作品が山ほど展示してあります。改めて実物を見て思ったのは、私はゴッホがあまり好きではないんだって事。展示してあった中ではコローなんて人の絵が気に入ったけどどういう人かよく知らない。
 カフェでソーセージブローチェを頼んだらパイ生地に包まれたおやつみたいのが出てきた。さんざん運動してきて、お昼はこれだけかぁ。ちなみにビジターセンターにある食堂も今一なんで、食事については済ませてから来た方が良いよ。
 「彫刻の庭」なんてまんまの名前のお庭も拝見。現代彫刻だから意味不明のオブジェばかり。資材置き場か、ゴミ箱にしか見えないものもある。困ったのが行「階段」(作品の1つ)。当然上っちゃいました。登り口には「尋常ではない苦労が必要です。心臓の弱い人高所恐怖症の方はご遠慮ください。12歳以下のお子様は保護者同伴で。」なんて書いてある。これのどこがどう「彫刻」なんだ?

ビジターセンターから歩いて300メートルのバス停に時刻を見に行ったら1時間に1本、丁度バスがやってきたのだが、どっち向きのに乗ったら良いのかわからないのでパスしてしまった。後で見たらあれに乗れば良かったのだな。バスは諦めて、また自転車で次の街に行くバスが出ている別の入り口へ。今度は約4,5キロだから楽勝だね。
 ガイドブックにはビジターセンターと2カ所の入り口を結んで公園の中を走っている106番のバスとアペンドールンからのバスの乗り換えを変なレストランの前で、と書いてあったが、乗り換え場所はちょいと街中に入ったCentrumってバス停だった。レストランにいくらかもらったのかぁ>某歩き方。バスの時刻もぴったりで接続しているので、変なところで降りて乗り換え場所探してると乗り遅れちゃうよ。自転車で来た私は次のバスまで30分待ち。

回数券を4コマも切られたのは初めてかも。アペンドールンの郊外って、公園の隙間に広々としたお庭のある立派な家が点在してるって感じで、バス停とバス停の間隔がやたら広いのだな。とりあえず終点の駅前まで行く。
 バスを降りると国鉄の駅は激しく工事中。9月完成なんて書いてあったけど、絶対間に合いそうにない。今日もガイドブックに地図が載っていない街だけど、掲示を頼りに観光案内所に着いたら、ちゃんと普通の只地図をくれたよ。見習いなさい>アルネム。しかし、一緒にもらったホテルリストには、市内らしい地名を書いたのは数件、アルネムよりもっとホテルの数が少なそう。
 1軒目で見せてもらったのはぴっかぴっかの暖炉のある広いダブルのお部屋、ホテルリストを見せたら、すぐそこの角、市庁舎の前、高いよ、郊外、なんていちいち教えてくれたので、まずは「すぐそこの角」のはずのホテルへ…行きたかったのだが、道に迷ってバス停の地図とリストの住所を照らし合わせて何とか辿り着く。んが、ここも空きはダブルのみ。今まで旅した街ではダブルのお部屋でもシングル料金の設定がある事が多かったのだが、ここらは駄目みたいだね。
 3軒目は直接行くのは面倒くさくなってきたので、電話で済ませる。せっかく携帯持ってきてるんだし、たまには使ってやらないとね。と言うか単にくたびれてるんだけど。金曜の晩は86ユーロだって、ミラノで3つ星のホテルに泊まれるぞ。結局1軒目に戻って昨日おとといの合計よりも高いピカピカのお部屋に泊まることになる。

シャワーを浴びて一休みすると晩飯タイム。7時過ぎにはやっぱりみんな閉まっちゃってるのね。この街もお買い物デーは木曜日みたい。明日の行き先を考えるのにもう一度駅前に行き、バスと列車の時刻などをちらちら。アムステルダム方面には直行列車があるんだけど、ここより北に行く列車って殆どないのだね。中距離バスも大して出ていないようで。
 例によってテラスのあるカフェやレストランは大盛況。ほんっとにみんなテラス席大好きだねぇ。マーストリヒトからアルネムと、比較的手頃な値段の店が簡単に見つかったので、オランダでも真面目に探すと結構手頃な店もあるのか、と思っていたが、アペンドールンには無かった。取り壊し中の元日本料理店(の残骸)もある市庁舎前広場の、親父の漫画のあるグランカフェで一番安いメインディッシュでまたシュニッツェルになってしまった。
 飯を食い終わったら、ここのahはもう閉まっていたので今日はビールを買い込むことができず。宿でコーラ買って、今日も無断使用か宿の提供かわからない無線LANで日記書きに入る。今日はマジくたびれたわ、早く寝よ。