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1449 OOPer: 2007-04-21 04:39:00 3
東欧日記第3日 5と500が同じのシナイア
昨日のソーセージは丸ごとボイルだったが、今日のはたこ足切りで炒めてあった。後は昨日とまるっきり同じ朝食。
 大学駅から地下鉄で北駅へ。結局あれだけ歩く事がわかっていたら、昨日もう1回分を使わずに置いといたのだが。ちなみに今日はピカピカ新型車ではなく、落書きだらけの旧型車料にも乗れた。昨日も試運転と書いたピカピカ車両を見かけたから、随時置き換えて行ってるのだろう。

開いている窓口には大抵何か張り紙がしてある。一生懸命行き先を説明したあげくに、「ここじゃないよ」なんて言われるのも嫌なんで、張り紙のない窓口を探して並ぶ。図々しいおばさん一名横入り。
 「シナイアまで、快速、2等、片道」朝予習した単語を並べて行く。何も言わなければ2等の切符が出て来るようで、言い終わる頃には切符が出されている。50レイ紙幣を出したら、当然のごとくに20レイだけお釣りをくれて知らん顔。切符(JRの切符みたいな定期券サイズに機械印字)に表示された値段を見たら、29,10レイだった(ちなみにガイドブックの価格よりちょっと高い)のだが…。

ルーマニアの快速はコンパートメントだと書いてあったのだが、ピカピカの新型車両だった。駅構内にはマクドも有ったが水を買っただけで乗車。ちなみに2レイ。ブクレシュティの今までの水価格最高が昨日の公園の2,50レイ、最低は宿の近所の軽食スタンドの1,50レイ、スーパーなんかはもっと安いと思うがまだ覗いていない。
 全席指定のはずなんで、おじいさんに荷物をどけてもらって自分の席へ。ルーマニア人は話し好きなんて書いてあったのだが、途中の検札以外誰も声をかけて来ず。
 北駅を過ぎて10分もすると回りに何も見えない郊外って感じ、線路に平行して走る道の両脇はゴミだらけ。もう少しきれいにしなさいよ>ルーマニアの人。

シナイアまでの停車駅、いかにも共産圏て感じの規格品集合住宅以外何にも無いところ。随分沢山降りると思ったら、殆どの人は煙草を吸いに降りているだけだった。禁煙のシステムだけは先進国から取り入れても、国民の実態は付いて行ってないんで、愛煙家は大変なんだろう、喫煙時間を確保するためか、乗降客はいないのに10分以上の停車。

シナイアが近づくと、まだ雪をたたえた山並みが目に。冬はスキー客でも賑わうリゾート地らしい。駅前からシナイアの目抜き通りを歩いていると、次々に宿の呼び込みがよってくる。シナイアにはルーマニアには珍しく公営の観光案内所が有るそうなんで、宿の決定はそこで情報を仕入れてから。
 「ホテルの情報は有るか?」などと怪しい英語で聞いてみると、「うちは宿の斡旋はやってないんだ、これ、場所とかサービスとか書いてあるし」と言って、ホテルリストを渡してくれた。「これで十分役に立つよ」と言って、お礼を言ってそこを出る。出しなにちっちゃな観光マップも付けてくれた。

まずは歩いてシナイア僧院へ。山あいのリゾート地だから、目抜き通りを離れると延々坂道、道は悪くて歩きにくいし、地図は見にくいし、近道には怖そうな犬が寝そべっていたしで、随分遠回りしてしまった。んで、山道の途中のもう至る所にヴィラと言う看板をあげた民宿が有る。貴族の館を改造したものもあるそうだが、殆どはそう見えるように作っただけでないの?って感じ。数が多すぎるもん。
 僧院っちゅうのはどんなところかよくわからなかったのだが、門が開いていて自由に入れるようになっている。なんかすんごい雰囲気の礼拝堂みたいなのを覗いただけで、厳かな空気に耐えられずに1レイだけご寄進して退散。

別の道から降りたら、あっという間に駅前に出た。まずは宿探し。私営の観光案内所で60レイくらいの宿はと聞いてみたら、そこで紹介しているのは70から、探せば見つかるだろうけど、内容は悪いと思うよ、ってことだった。呼び込みのおじさんの一人が60と言っていたから、聞いてみたんだけどね。
 さらにあちこち歩いてホットドッグとコーラのセット5レイなりの食事を済ませ、79,92レイなんて超中途半端な値段を表示しているホテルの看板を覗いていると、「7なんて駄目だ、こっちは5だよ」なんて言いながら怪しいお兄さんとおじさんが近寄ってきた。「何が5なんだ?50レイ」「いや5だ」「どこに有る?」(荷物の中からボロボロになってすり切れかかっている二つ星ヴィラのパンフレットを指し示し)「5だ」「50レイなのか」「5だ、50じゃない、500だ」…。
 5レイなら250円、安過ぎて泊まる気はしないし、500レイなら2万5千円、そんなに出すなら目の前の団地みたいなでっかい観光ホテル(その名もホテルシナイア、まんまだぜ)に泊まるよ。さらにちなみにデノミ前の旧500レイは現在の0,5レイのはず、25円だよ。こいつらに付いて行ったらこの先何が起こるのか興味津々でならなかったのだが、そうそう毎日ぼられていても仕方ないんでやめておいた。

と言う訳で、いい加減な安ホテルで、後から朝食は別だとか、税別だとか(ルーマニアの消費税は19%だから別だとかなり差が出てくる)言われてもしゃくなんで、駅前にでんと建ってたホテルに飛び込んだ。131レイと言われたんだが、昨日まで一泊1万円(約200レイだな)の宿に泊まっているから、ちゃんとした宿でこんなもんなら良いだろうってことで、ここに決定。それなら始めから60レイの宿なんて探すなよって感じだが。

シャワー浴びて洗濯したら、時刻は2時過ぎ。かなりくたびれていたのだが、本日のメインエベントのペレシュ城が閉まっちゃうといけないので、3時には出発。
 近道を通るととっても近かった僧院横を抜け、荒神さんの参道みたいな土産物屋の並ぶ坂道を上がると、いかにも立派な貴族の屋敷って感じの建物が見えてくる。なぜかライオンと一緒の少年が。写真を撮るとお金を請求されそうなんで、撮ったのはお城の写真だけ。
 由緒ありげな建物が一杯有って、そのうちのいくつかはヴィラの看板が上がっていた。但し、窓ガラスが割れているのを放置してあるのも有って、オフシーズンにまじめに営業しているのかどうかは不明。

ガイドブックでは、切符売り場は、お城の建物から少し離れた場所に有ることになっていたのだが、実際にはお城の建物の中だった。ピークには移動させるのかもしれない。
 外国語ツアーの入り口を見ると「15人以上でのグループでの見学のみとなります」と書いてある。周りを見渡してもそんなに人が居なかったので、看板に書いてある通りに呼び鈴を押して中のお姉さんに聞いてみると、英語のガイドツアーは後10分ほどで始まるそうな。
 10分少々待って金属探知機をくぐると結局集まってきたのは40人くらい。遠くで見学が済んだかのような顔して写真を撮っていた人たちとかも、みんな待っていたらしい。
 金属探知機担当のお姉さんが人並みを裁いている間に中の写真をぱちりとやったら怒られた。ガイドブックにも表の看板にも書いていなかったのだが、カメラ持ち込みは別料金で30レイ、ビデオなら50レイだとさ。ガイドブックの執筆者は適当な取材だけで済ませて中に入らなかったから、本には書けなかったんだろうね。ちなみに金を払わなかった場合は、カメラは預けないといけない。しっかり預けた。

で、中は良かった。古いお城とかって、内装はボロボロになったのを復元したもの、調度品は実際のものが散逸しているので、それっぽいものをあちこちから寄せ集めました、なんて展示をしているところも多いんだが、ここのは往時のルーマニア王が使っていた当時の形のまんま残してある感じ。見学者に見せる部分だけ頑張って整備しただけかもしれないけどね。だとしてもドイツ風、イタリア風、トルコ風等、贅と趣向を尽くして作られた部屋を見て回るのはなかなか楽しかった。ルーマニアなまりの英語案内は殆ど聞き取れなかったが。
 もしここを訪れることがあったら、ケチらずに1500円払って写真を撮らせてもらった方が良いだろう。と言うか、日本人観光客は大抵そうしていると思うが。帰り道に売店のおばさんの娘らしき小さい女の子に「サヨウナラ」って声かけられちゃったし。おばさんの方は「アリガトウも言えるよ」なんて言ってたが。

夕寝して、7時にホテルのレストランを覗いたら、一応営業しているみたいなのだが、客は誰もいないし、従業員らしきのは隅っこで座って暇を持て余しているだけ。昨日のちょいぼられたレストランも7時前には開いていなかったし、ルーマニアでは7時過ぎの夕食というのはちょい早すぎるのだろうか。それとも今はオフシーズンで、実はこのホテルはガラガラなのか…。
 こいつは飯は外かなと思っていったん部屋に戻ってセーターを着込む。山あいだから、日が落ちるとかなり冷え込みそう。部屋の窓は二重窓になっていた。フロントで借りた時刻表は見方がわからないので、直接駅へ、こういうとき駅前宿は便利だな。切符販売の窓口は閉まっていた。そう言えばルクセンブルクでも切符が買えなくて困ったことがあったっけ。時刻表はホームにしか掲示してなかったので、警察官と思しき3人組の横でぱちり。近くに居た人が「写真に撮ってるぜ」なんて感心していた。

ちょいと歩いて目抜き通りにあるレストランへ。空いていたが、一応客も居たようなんで入ってみた、ガイドブック掲載のお店。さすがにブクレシュティより少し安い。昨日贅沢したんで今日はスープも食前酒も無しで。
 いきなりのメインディッシュはトキトゥーラ、豚肉のいろんな部位とかソーセージとかを煮込んであった。付け合わせは頼まないと何も付かないのが普通なのかと思ってたら、黄色いふわふわのでんぷん味のマシュマロのでかいのの上に目玉焼きとたっぷりのチーズがかかったものが出てきた。後で調べたらママリガと言って、トウモロコシの粉がベースらしい、ルーマニア人の主食だと書いてある、よく見たらメニューにもママリガ付きだと書いてあった。但し、パンは出て来ない。イタリアのどっかみたいに頼みもしないパンが出てきて、一口も食べてないのにしっかり料金だけ請求される、なんてことがないだけ良いが。
 別に頼んだジャガイモも、ゆでた奴が皿一杯出てきたし、ルーマニアビールのウルススでお腹いっぱい。食後のカプチーノはエスプレッソと同じ値段。明朗会計でメニューの表示金額の合計通りの26レイなり。愛想は悪かったけどてきぱきと働いてくれたお兄さんに小額のお釣りは取ってもらった。

いつもこんな感じで機嫌良く食事ができたら、ルーマニアってとっても良いところ、になるんだけどねぇ。とりあえず「500」の怪しい呼び込みのお兄さんは排除していただきたい。