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1486 OOPer: 2007-05-01 04:54:03 5
東欧日記第13日 修道院巡りとやっぱりのスチェアバ
昨日あれだけ寝たのに、またよく眠れて朝食に降りたのは8時半、見事に誰も居ない。テーブルの食べ残しには卵料理が一杯有るが、私に出て来たのはハムソーセージチーズがちょこっと乗ったお皿だけ、後から来たルーマニア人の家族連れにはメニューを渡していたのにぃ、差別だぁ!なんてことを英語の通じないお姉さんには言えずに退散。オムレツ食いたかった。

バス駅に着いたのが9:41、時刻表を見ると9:40の次は10:03、出たばかりか、でも次がすぐ有るもんねと思って待っているとバスが来ない。他の乗り場のバスはほぼ時刻表通りに現れているのだが…。定刻から20分過ぎた所でインフォメーションに人がいるので聞いて見た。英語は通じなかったのだが、10時半にバスが有るからと言っているようだ。
 10時半に確かにバスは来たのだが、11時発のやつだった。10時前後に何台かのバスが駐車場から乗り場を経ずに発車して行ったのだが、そのうち1台が私の乗りたかったグラフモールルイ(ガイドブックでは単にグラフモールとなっている、ルイは属格冠詞で省略しても通じるかも知れないが、ジモティーはみんなルイ付きで言っていたのでそれに合わせる)行きだったのかも知れない。スチェアバのバス駅を利用する人は駐車場も覗いた方が良いぞ。

いつもの丘陵地帯の風景を抜けて、1時間足らずでグラフモールルイの地名表示が現れる。ここで降りたのは老人一人だけ。もう少し賑やかな、いかにも街って感じの所で沢山降りて行ったので、運ちゃんに「ヴォロネツ修道院まで?」なんて言ってみた。うなづいてぼそぼそ言っていたので降りようとしたら、もう少し乗っていろという仕草。結局「ヴォロネツ修道院まで4km」と言う標識の所で降ろしてくれた。そこがバス停だったかどうかは定かではない。ルーマニアの人は基本的にとっても親切である。
 降りた場所にはタクシーも泊まっていたが、4kmなら歩けるじゃん、と言うのが私の通常の発想。足の方もルーマニアの救急絆創膏の薬がよく効いて(日本では認可されないようなヤバい成分を一杯含んでるような気がする、足の裏は真っ黄っ黄に染まっている)、ほぼ全快、4kmと書いてあったのだが、それほど飛ばしもせずに45分かかっていないから、3kmは無かっただろう。多めに表示するのはタクシー運ちゃん向けのサービスか?

と言う訳で、ルーマニア観光最大の目玉と言われている5つの修道院、昨日宿屋のフロントで聞いたら「総延長250kmになる範囲に点在している、タクシーを利用するしかない、80〜90ユーロ、300レイはかかるかな」なんて言われて迷っていたのだ。
 ここまで、ケチケチとまでは行かなくても、そこそこ節約旅行をして来ているのに、いくらルーマニア観光の目玉とはいえ、5つの修道院を巡るためだけに(私の旅の中では)高級なホテル2泊分の金を使ってよいものか。
 で考えたのが、晩飯か朝飯の時に修道院巡りのツアー客か何かに巡り会って、一緒に回らせてもらうと言うもの。昨日の晩飯については昨日の日記の通り、朝はがらんどうだったので却下。
 早起き出来ればホテルの前に一杯停まっているタクシーにディスカウントで回ってくれないか頼もうか、「修道院ツアー」なんて看板を掲げた旅行代理店に入ってみようか迷っていたのだが、寝過ごしてた(08:00〜16:00、8時間はかかると言われた)のでそれも却下。5つの修道院全部を巡るのはあきらめて、バスで行ける所だけ絞り込んだ。

あまりにも早く着きすぎた(4kmと書いてあったのに40分かそこらだからね)ので、本物かどうか一瞬迷ったのだが、ちゃんとユネスコ世界遺産マークの付いた標識は出ていたし、修道女姿のお姉さんから切符を買えた(4レイ+カメラ持ち込み6レイ、例によって入り口を抜ければ誰もチェックしていないが、私は正直者なので、ちゃんと撮影するつもりの時にはカメラ料金払う)から本物だったのだろう。
 ヴォロネツ修道院、確かに立派なフレスコ画が残っている。でも本当に凄いのは、撮影禁止の内部なのだな。本当に正教系の建物の内部には感激もん、単に金持ちがお金に飽かして作ったんでしょ的色彩の強い(敬虔なカトリックの皆さんごめんなさい)おっきなカテドラルとは違って荘厳で圧倒される雰囲気が有る。これからルーマニアに行く人は、無理をしてでも一箇所は寄っておくべきだろう。

駐車場には色とりどりの外車がずらり、もちろんルーマニアナンバー以外も目立つ。お高く止まったプチブル(殆ど死語というより古語だな)か外国人観光客が多いので、車の通行量の割にはヒッチハイク成功率は低いと思われる。
 と言う訳で、来た時と逆の道を歩いて標識の有るバス通りへ。そこから更に約15分歩くとグラフモールルイの中心部に出る。バス駅の場所も鉄道駅の場所もフモール修道院行きのバス乗り場の場所もわからないまま、あっちをうろちょろこっちをぶらぶら。
 時間は午後2時を回っている、結局昼飯のケバブを買った店でバス停の場所だけ聞いて(みんな凄い親切)、公園のベンチで昼飯。

フモール修道院前までは1レイ(ガイドブックには3レイと有ったが間違い)、7分ほどで着く。ヴォロネツに比べると、ちょいと寂しいかな。中もこじんまりとしているが、それはそれでこちらも素晴らしい。内部は修復のための足場が組んでいてちょっと見難かったのが残念。ちなみに料金は5つの修道院で統一価格らしい。
 バスで7分なら歩いても1時間程度かと思って、帰りは歩き始める。途中イギリスに居たと言う英語の堪能な建設資材会社経営のお兄さんに途中まで乗せてもらった(何度でも書くが、ルーマニアの人は基本的にとっても親切)ので、30分もかからずに着くことができた。

んが、帰りが大変。スチェアバに戻りたいのだが、バス停がどこかわからない。鉄道駅がどこかもわからない。あちこち歩き回ってようやく殆ど目立っていないバス駅の看板を発見、英語の出来ないインフォメーションのおじさんに何とか聞き出そうとしたら16:30なんてメモをくれた。スチェアバ行きの何がどう4時半なのかわからない。どうもバス駅から発車する事は無さそうなので、バス通りまで出てみる。
 やはりバス待ちらしき若者3人を背中に、確実に英語が通じるベストウェスタンホテルまで行ってみた。んが、結局さっき見つけたバス駅らしい所への生き方を教えてくれただけ。4時半が近いから急いでバス駅へ戻る。
 途中レンタカー屋(ルーマニアには少ない)を見つけたが、やはりタクシーを1日借り切るよりずっと安い。修道院巡りをする人は、国際免許を取って、車で回った方が良いと思うぞ。但し、すんごい細くて舗装も悪い道(当然対面通行)をぶんぶんぶっ飛ばすので、事故らないよう気を付けて。(ルーマニアも車は右側通行。)
 食料運搬車風マイクロバスが1台来たのだが、スチェアバには行かないやつ、少しして列車の警笛の音がすると、若者3人組が歩き出す、一人が列車の方が早いよなんて言ってくれたので付いて行った。

鉄道駅はバス駅の更に奥まった所に合った。深夜列車が停車した時には、かなり開けた場所に見えたのだが。
 3人組のうち二人はジモティーだそうで一緒に列車に乗ったのは、一人だけ。普通列車の切符はバスより安いが、バスより時間がかかる。ちなみにグラフモールルイの駅は私の乗った「グラフモールルイ街(オラシュ)駅」ってのと無印の「グラフモールルイ駅」ってのが有るようだ。修道院に行くなら「街駅」の方なので、行く人は間違えないように。
 1時間あまりの列車の旅、ルーマニア人には珍しい(?)無口な彼と時折英語での会話。せっかくだから、名刺を渡しておいた。ルーマニアに来て初めてだぞ。スチェアバ北駅でがっちり握手をして別れた。

スチェアバ北駅は、夜行列車で通った時には深夜営業のカフェも有るし、無印駅よりでかいのかなと思っていたのだが、そのカフェの裏はすぐに駅の玄関、ちょっとした田舎町の駅って風情の駅だった。
 駅前には5番のピカピカ大型バスと12番のマイクロバス(先日宣言した所だが、スチェアバ市内には「マクシタクシー」と書いたバス停が一杯有った、んが統一のためマイクロバスと書くことにする)が停まっていたが、ピカピカバスの方に乗った。車掌さんが切符売ってくれるのは昨日と同じ。
 マクドの横で下車して、トイレを我慢しながらCFR(ルーマニア国鉄)の営業所で明日の列車の時間調べ。終わると急いで宿に戻る。

一息ついて気が付くと7時半、朝飯の応対が悪かったので、宿のレストランは使わずに晩飯場所探し。結局昨日チェックを入れていた、ネオン光るレストランへ。
 昨日のピザ屋みたいに、雰囲気だけでお高い店なら嫌だなと思っていたら、メニューに載っている料理のうち、その日出来るのは黒板に書いてあるやつだけって言う安食堂だった。
 ポークカツもなんなんで、ブラショフビールにミティテイと言う、酒とあてコース。勘定書を見たらパンが5枚分(食ったのは3枚だけ)、ミティテイ用のマスタード(普通の店で別料金で付けることは無いと思うぞ)と思われる0,20レイも付いていた。どこまで行っても気持ちよく食事を取れるレストランが無い国だわ。途中入って来た怪しいおじさんの怪しい誘いを避けてそそくさと退散した。

宿の近くのミニマーケット(9時前だがまだ開いていた)で、もう1缶残っているビールのつまみにするために塩ピーナツ1袋2レイなりを購入、この国ではビールよりピーナツの方が高い。
 フロントに「おやすみなさい」とルーマニア語で言うと喜んでもらえた。んが、ルーマニア語を使うのも後数日、そろそろレイの現金をうまく使い切るための算段をしなければ行けない。
 朝飯の後にたっぷり出ていたお湯、この時間は出が悪い。バスタブが有る宿ではお湯の出が悪い。日記を書き終える前に缶ビールもなくなってしまった。そろそろ寝るか。