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1574 OOPer: 2007-05-10 04:52:13 6
東欧日記第22日 停まらぬシプカ峠咲かぬカザンラク
トースト、わずかのハムチーズ、コーヒーとキーウィー。やや物足りなく思いながらチェックアウト。

バス駅でシプカ峠行きを聞くと10時20分だと言う、まぁ、昨日調べて知ってはいたのだが、英語があまり出来ないにも関わらず丁寧に答えてくれたから、それに乗ることにする。
 着いたバスはルセ・プロブディフ便の長距離豪華バス、シプカ峠までなら2レバで乗せてくれる。
 ガブロボの街を出るとすぐに舗装の悪い山道、英語併記で「危険地帯」なんて表示がある。ゲートが有ったから、冬期や悪天候の時には閉鎖になるのだろう。

峠まではまだ遠い中腹のカフェにも「野牛のミルク」の看板が出ている。ミルクというのはブルガリアではヨーグルトの事も指すそうだ。「新鮮なの」と言うと普通の牛乳、「酸っぱいの」と言うとヨーグルトのことになるらしい。んで、私の持っているブルガリア語の教科書に「シプカ峠で売っている野牛のヨーグルトが絶品」と書いてあったのだな。ブルガリア入りしたのになかなかヨーグルトの話が出て来ないと思っていた、奇特な日記の読者諸氏、ようやくヨーグルトの話だぞ。

長距離バスはシプカ峠の駐車場でトイレ&タバコ休憩。シプカ峠はひなびた場所という私の想像と全然違って、大型トレーラーも止められるでかい駐車場とホテル(1つ星だったが)や多数のカフェお土産屋さんが有るちょっとした観光地だった。バスには別れを告げて自由の碑というのを昇りにいく。
 ガイドブックには94段の階段、と有ったのだが、もっと多かったように思うぞ、数えてはいないが。塔の入り口までで約15分、なんせ11時にガブロボ発のバスがここに到着するまでには下に降りないといけないから、ちょい急いでいたのにこんだけ。
 入場料は1,50レバ、内部は7階建て、当然階段しか無い。展示はオスマン朝との戦い(ブルガリアが独立を勝ち取った戦いで、シプカ峠は激戦地だったらしい)をパネルやなんかの説明で。19世紀末だから写真も有ったりするのだが、説明はブルガリア語だけなんで、パスしてひたすら上を目指す。
 時間がないからてっぺんでは数枚写真を撮っただけで、すぐに塔を降りる。塔の周りでも何枚か写真を撮ってこれで更に15分、途中ちょいと間違えながら遠足のお子ちゃまとすれ違い、もと来た階段を下りるのにさらに15分(階段というのは下りだからといって、そうそう速く降りれるものではないようだ)、既に予定オーバーだが、ここに来た目的はヨーグルト、これを外すわけにはいかない。

自由の碑に一番近い売店では呼べど答えず。道路を渡って駐車場側の売店で、おじさんの顔が見えるスタンドで野牛のミルク(ここらでは「酸っぱいの」を付けなくても「野牛の」と言えばヨーグルトの事)を購入、ちなみにここらの売店全部で統一価格で、250gが1,50レバ、400gが2レバなり。
 出て来たのはきれいなプラスチックの容器にアルミの蓋の着いた、スーパーに置いていそうなヨーグルト。ソフィアのスーパーならきっと置いていると思う。容器を横に向けてもこぼれないやや固め、味は癖が無く、後味の残らない酸味。他にブルガリアのヨーグルトを食べていないので比べようが無いのだが、とりあえずあっという間に400gは無くなってしまった。

さてバスを見る。表示の意味は分からなかったが、先ほどのお子ちゃまたちを乗せた遠足バスのようだ。階段を下りるとき中腹から見えていたバスが1台消えているからそれだったのかも知れない。
 さて、次のバスはいつ来るのだ。「→i」なんて看板は有るのだが、どこにもiマークのある窓口は無い。ホテルの方まであちこち回ったがそれっぽい窓口は無いので、ヨーグルトを買ったスタンドのおやじさんに聞いて見た。
 「1時半かな、12時半に別の街行きのバスが有るから、そっちでも頼めば乗せてくれると思うよ、そこに停まってるのはスクールバスだが、それに頼んでみても良いね、バス道に立ってしっかり合図するんだよ」たどたどしい英語ながら、ヒッチハイクポーズを混ぜて丁寧に説明してくれた。
 12時半のよその街行きは置いといて、やはりガブロボ13時発のバスが来るまでカザンラク行きは無いらしい。景色のきれいなカフェのテラス席で軽食、最近食事が屋外の事が多いな、サンドイッチと言ったらパンの上にハムとチーズを乗せて、丸ごと焼いたらしきものが出て来た。

ビールを飲んでいる途中で1台バスが行き過ぎる。あれがよその街行きだったか。その後20分ばかりぼーっと景色を見て1時過ぎ、再びおやじさんの店でコーヒーを頼むとバス道を指差して、あそこで待っていなきゃと。プラコップに入ったエスプレッソを抱えてバス道の脇へ。
 大型のトラックやトレーラーが通るたびに脇に身を潜めて待つ事約30分、1台のバスが見えて来た。フロントガラスの表示には、カザンラクという文字も有るようだ。手を振った。停まらなかった。






次のバスはガブロボ14時発、ここらに到達するのは14時40分前後か。14時15分、今度はよく目立つように道路の反対側に陣取って、バスが来ないか観察。例によって大型車が通る度に場所を移動。
 14時36分、バスが見えて来た。さっきはアクションが小振り過ぎて観光客に手を振っているようにしか見えなかったかもと反省し、ヒッチハイクポーズを取りながら、バスの直前を横断、数十メートル行き過ぎた場所で停まってくれた。
 と言う訳で、ガブロボからカザンラクに行く途中でシプカ峠に寄ろうと思っている人は、10時20分ガブロボ発のバスに乗って、休憩時間中にヨーグルトだけ買って自由の碑はあきらめるか、11時ガブロボ発のバスに乗って、自由の碑を見てヨーグルトと軽い食事を取って、13時ガブロボ発のバスが通りかかるのを身を挺して無理にでも停まらせる、というのが正解かと思う。試してちょ。
 ガブロボからカザンラクへとバルカン山脈を縦に抜けるのはこの峠を通るしか仕方ないから、要はみんなここを通るのだな。ガブロボ発カザンラク行きのバスの時刻は知っておいた方が良いぞ。ちなみに峠では殆どタクシーの姿は見かけなかったから、売店等で無線タクシーを呼んでもらわない限りタクシー利用は不可。

峠を降りるとシプカの村、金ぴかの寺院が見えている。ここまで降りても「野牛のミルク」の看板多し。結局峠から30分程でカザンラクの街へ。

バス駅と鉄道駅は隣接、ちょいと田舎街の風情。町というよりは街、ちょっと都会だな。街中の道路は広い所でも片側1車線ずつの対面通行。駅で交通情報を集めた後は、街中で宿探し。
 広場の横の巨大ホテル、ガイドブックには55レバと有ったのに、40レバだと言われた。季節やら混み具合やらで細かく変更しているのか。インターネットは聞かなかったが、今日は、ま良いでしょ。もち、朝食込み。
 シャワーを浴びると既に4時過ぎ、一休みの間もなく街中へ繰り出す。歴史博物館のホールには練習中の楽団が陣取っている。2レバなりだが、一部の展示しか見れない。
 更に歩いて街の外周部へ。小さな川では子供たちがフルチンで水遊び、今日も暑かったからね。さすがに撮影は遠慮。
 トラキア人の墓、本物はきれいな建物に覆われて厳重に鍵がかかっている。きれいに復元されたコピーがすぐ近くで展示中。なんだこれだけかいな、ってもんだが、本物と両方見れたなら面白いと思うのだが。私が行った時にいたお姉さんは入場料は別に良いよと言ってくれたので、只見、入り口には3レバと書いてあった。
 先ほどの歴史博物館の展示物なんかでもそうなのだが、キリスト教化される前のヨーロッパには数々の個性豊かで優れた文化が有った事が見て取れる、もっとそれらに眼を向けてもいいもんだと思うのだが。
 
バラ祭り(この街は6月の頭に行われるバラ祭りの会場で、その時には思いっきり賑わうらしい)の会場となるバラ公園を探して歩いていたら、地図上では公園なんか無い場所に、ステージをしつらえたそこそこの大きさの公園。本来のバラ公園が見つからない。
 宿の前の広場に戻って通りの名前を確かめながら再度探したら、やっぱさっきの公園がバラ公園だった。6月の頭に祭りならもうバラの1本や2本、と思っていたのだが、全く咲いていなかった。
 食料雑貨のお店でビールピーナツ水を買い込んで一休み。例によってビールはすぐに空いてしまう。

再び街に出て晩飯場所探し、お洒落なカフェやテイクアウトのお店は一杯有るのだが、ちゃんと腰を落ち着けて飯が食えそうな場所は少ない。結局ホテルの1階にあるピザ&グリル料理の店へ。メニューに3,99レバと書いていた料理が5,99レバだったりしたのだが、量もたっぷりだったので、それくらいはするだろう、メニューの書き間違いと言う事で許してあげよう。
 一緒に頼んだシカゴサラダは殆どジャガイモ、トマトと書いていないサラダを頼んだだけなのだが。「焼いたパン」と言ったつもりだったのに、普通の白い食パンが。外国人は普通のパン、と思い込んでいたので聞き間違えたのか。とにかくでんぷんばっかりお腹は一杯、伝票は注文後すぐに届くファミレス方式で明朗会計、値段もお手頃なのでブルガリア料理にこだわらないならお勧め(メニューの値段が怪しいのは置いといて)だよん。ここもガイドブックに載ってたんだけどね。たまには当たりも有るな>ガイドブック。
 眼鏡の可愛いウエイトレスが、かいがいしく働いていたので、1レフ未満の釣り銭はあげて来てしまった。どうしても眼鏡美人には弱いな。

この部屋、ドアなんかの建具とかまできれいに改装してあるのに、バスルームだけ古くさいまんま、なぜかと思っていたのだが、風呂好きの日本人観光客用に取ってあるのかも。バスタブに熱いお湯を一杯溜めてのバスタイム、お腹も一杯でとっても幸せ。