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3286 OOPer: 2010-07-31 02:13:39
ブリタニア通信第5日岬巡らぬバスの旅
朝食会場のレストラン、コーヒーは入れにきてくれるし、朝からお料理は何にしますか、とか聞かれるしで戸惑ってしまった。最初「cokedな物は要りませんか?」って聞こえたので、要らないと答えたのだが、「要らないの」って聴き直されて、初めて「cooked」と言ってたんだと気付いた。
 何が有るかと聞いても多すぎてよくわからなかったので(多分イギリス人的には標準的な朝食用メニューは置いてたんだと思う)、「典型的なイギリスの朝食」と言ったら、いわゆる「フルイングリッシュブレックファースト」が出てきた。トースト、ハッシュポテト、ソーセージ、マッシュルーム、ベーコン、目玉焼き、焼きトマト。もちろん焼きトマトは丁重にお返しした。

バスの案内所でドーバー経由でイーストボーンへ行き方を聞いた。「え、バスで行く気かよ」ってな表情になった後、「まず15番でドーバー、それから101番でヘースティングスまで行って、そこで99番に乗り換え」なんて感じで丁寧に教えてくれた。「切符はここで買うのか」と聞くと、「最初に乗ったバスの運転手からExplorer Ticketを買え、すんげぇ安いから」と言う。
 で、もらった時刻表&路線図とバス停の表示を確認したら、まだ20分近くあるので、近くの喫茶店でコーヒーを買う。ちびちび飲みながら待っていると、15番バスの入るドックにでかいバスが入ってきた。運転手に「Explorer Ticketをくれ」と言うと、「売ってないし、このバスでは使えない」とか何とか言っている。で、しばらく運転手に時間を取らせてあーだこーだ言ってたら、要はこのバスnational expressとか言う長距離バスで、15番の路線バスではなかったのだな。
 そのバスが出て数分後、ちゃんとわかりやすく15の表示のあるバスが入ってきた。運ちゃんは愛想の悪いじいさんだったが、ちゃんとExploere Ticketなるものも買えた。5.5ポンドでイングランド南東部を走る数社の路線に乗り放題ってことで、かなりお得だよ。

ドーバーはバスの最終目的地じゃないので、どこで降りるかちょっと注意。バスの運ちゃんにドーバー城に一番近いとこ、とか頼んでおけば良かったのだが、愛想の悪いじいさんだったのでやめといて、時刻表に乗っている通りの名前をチェック。
 ドーバー城まで歩いて15分くらい、途中買ってきたコーヒーを捨てようとしたときに中身をズボンにぶちまけてしまった。まだ先は長いのに、しっかりコーヒーのシミが。 時間もないので外側から眺めるだけでもと思ってたら、門のところに「これより先に入るにはチケットが必要です」とか書いてるよ。車で来る人向け?と思ってもうしばらく行ってみようと思ったら、車の相手をしていた係のお兄ちゃんが駆け寄ってきて手招き。13.9ポンドなりのチケットを購入。時間がないのでガイドツアーはお断り。
 ローマ時代(多分実際はそれ以前)からの軍事上の要衝の地ってことで、いろんな時代のいろんなものが広い土地の中に点在している。1時間ちょっとで次の101番のバスに乗らないといけないから、看板に赤い印がついているので、メインだと思われる大塔へ行ってみた。何とか何世の時代に作られたとか何とかで、子供演劇に使われそうなちゃちいセットで当時の雰囲気を再現して、ちゃちい衣装の係の人があれこれ説明してくれる。中途半端な偽者を置かれるよりは良いかも。
 てっぺんまで駆け抜けて、何枚か写真を撮ったらすぐ退散。40分くらいは掛かっちゃってる。後は帰り道にあるローマ時代の灯台跡と隣接している聖マリア教会なるものを覗いて、「提督の監視所」なる場所を通って1時間少々の見学は終わり。

101番のバスは到着したときと同じバス停から出る。11:35初のはずなんだが、結局15分ばかり遅れてやってきた。ロンドン市内を走っているのと同じくらいの高さがあるでっかい2階建てバス。2階の一番前海側の席をゲット。
 んが、海岸沿いの道路を走るバス、と言っても海沿いギリギリを走る訳ではないのだな。ブリテン島南部の海岸は比較的平坦で何も海岸ギリギリにバスを通さなくても良いっぽい。比較的海岸沿いを走るときでも、海岸の手前に堤防があるのが普通で海岸線なんて見えないや。もちろん岬なんて突き出したところを無理して通ることはなく、しっかり内陸部を走っている。
 と言う訳で、お昼時の2時間超の旅、朝食開場で仕入れたバナナ1本だけが昼飯。かなりお腹も空いてるし、朝は晴れてた空もどんより曇ってきているんで、ヘースティングスに着いたら、そこで泊まるか、先まで進むか迷ってたんだが、迷っている間にヘースティングス駅に着いてしまった。このバスもヘースティングスが最終目的地ではないんで、わかりやすいところで降りる。

バス停で乗り継ぎの99番のバス乗り場を探す。無い。そこでやっとバス内で何度も見ていた時刻表が98番の物だったことに気付く。98番は山ん中を走って、99番より1時間近く所要時間が長いのだな。
 乗り継ぎで1時間以上待たされると到着が6時を回ってしまう。行こうかと思っているイーストボーンは、ガイドブックにページがないので、どんな街か分からん。と言う訳で、うまく乗り継げなかったらヘースティングスに留まろうと思ってたのだが、99番は98番より本数が多いし時間も短い、んがバス停は街中、そこそこ大きい街でバス停が見つかるかな、と思ってたら、乗り継ぎに間に合わないと思っていた98番のバスが来た。遠回りでも良いやと思って乗り込んで、2階席を確保したら、次の停留所が99番の出るとこだった。慌てて降りる。
 んが、99番のバスがなかなか来ない。手元の時刻表で、私が乗ろうとした1本分をすっ飛ばして次のが来たって感じで25分近く待たされた。同じバスに乗る人で一杯、しばらくは重い荷物を抱えて座れず、降りる人に道を譲るのも一苦労。

途中モスクワサーカスやら、海沿いのミニリゾートって感じの小さい街をいくつか過ぎてたら、段々車内も空いてくる。海岸沿いをシーサイドビューのホテルが埋め尽くし、突き出した突堤の上にお城みたいなレジャー施設がある、ちょっと大きめのリゾートタウンに差し掛かる。
 で、そこがイーストボーンだったのだな。ガイドブックに載せてもらえてないから、宿もろくに無い田舎町かと思っちまったよ。海岸沿いで降りる人も多かったのだが、終点の駅前まで乗りつづけたら、近くに案内所が有った。飛び込んだのが4時半頃、営業時間が何時までか知らないが、17時までとかだったらギリギリだな。35ポンドくらいの宿がある、とか言っていたのだが、安い所はどこも一杯だったようで、もうちょっと高くて、しかもちょっと遠い所が3件ほど検索に掛かったとかで。
 ここまででやめといてリストをもらって自分で当たると手数料は要らないんだそうだが、自分で直接行ってダメだったら次のとこまで延々距離が有りそうだったので、3ポンド+宿泊料金の10%を払って予約を入れてもらう。

バスで通った道を引き返す感じで延々歩いて宿に着くと、呼び鈴を押して中に入れてもらう。朝食の時間やら何やらの説明が全然聞き取れない。鍵は部屋の鍵と玄関の鍵が2つついてるってパターンで。お腹も空いてるし、シャワーだけ浴びて街に繰り出したのが6時頃。
 街の様子がさっきと全然違う。随分ひっそり。日帰り客がこの1時間ほどの間にごっそりと帰っちゃったみたい。表通りの数件のパブも料理は4時ごろまでしか出さないらしい。しゃぁないからフィッシュ&チップスって看板をあげた安っぽいレストランで、まんまビールとフィッシュ&チップスを頼んだ。「ビターがあるよ」って言われた(今までも何度かパブで言われている)のだが、単に「苦いやつ」だと思っていたら、「ホップの苦味の聞いたビール」のことを「ビター」と言うのだそうな。ラージを頼んでバカでかいタラのフライを塩とビネガーで平らげる。勘定書きには「サービス料は含まれておりません」とはっきり書いてあるし、観光地だし、一応「レストラン」って看板に書いてたし、で10%ちょいのチップを渡したのだが、なんか店員の対応もいまいちで損した感じ。この飯ならマクドで良かったかも。ビッグマックなどのセットが3.99ポンド、今のレートなら日本より安い。

飲み直すために途中見つけたSPARでビールとつまみを買って(宿には缶ビールとかも置いているバーコーナーが有ったのだが)部屋に戻る。今日こそは寝る前に日記を書いちまうぞと思ってたのだが、写真の整理をしている間に猛烈に眠くなって来た。

写真はフルイングリッシュの朝食、ドーバー城の高射砲、海岸沿いの堤防とどんより曇った空。