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1469 OOPer: 2007-04-26 08:48:40 3
東欧日記第8日 酔っぱらいとクルージナポカへ
朝食はビュッフェ形式に戻った。暖かいものはソーセージしか無かった(しかもそれが生ぬるかった)のだが、それなりに種類は多くて、全部は食べきれない。

延々30分歩いて大広場に戻る、時刻は10時半、普通ならテラス席にはお茶している人が一杯居てもおかしくない時間帯だと思うんだが、ようやく準備中って感じの店が多い。「街の塔」ってのに昇りに行ったら工事中、本日のメインエベントのつもりだったのだが。
 「門が閉まっていても営業中です」とガイドブックに書いてあったブルケンタール博物館は門を開けて入ったら、まだ営業してなかった。警備員のおじさんに11時からと言われる。
 カトリック教会は外見は質素だけど、中身はド派手。福音教会は外見も中身も質素。大広場のカフェで「コーヒー」とだけ言うと、「ミルクは要る?」と聞かれた。メニューのコーヒーの欄はエスプレッソだけで10行くらいある、一体どれが出て来たのかわからんまま5レイ取られた。

ブルケンタールさんてーのはこの土地の名士らしいのだが、立派な暮らしをしてたんですね、よくもこれだけコレクションしましたね、って感じ。入場料はガイドブック表示価格の2倍の12レイ、これでペレシュ城と同じ値段ってのはずるいね、なんて思っていたら、もっと上がいた。
 ガイドブックでは工事中で値段不明の歴史博物館、お昼にはまだちょっと早いかなと思って入ってみた。12レイだった。愕然。あちこち工事中でペンキの匂いのする空っぽの部屋の方が多かった…。白いペンキの工事中の部屋を見せて12レイ取るシビウの人の感覚は全く理解できない。昨日「シビウに来るのはお勧めしない」とか書いたと思うが、前言撤回、シビウには絶対に来ないことを強く強くお勧めする。

ランチで賑わっているはずの大通りのテラス席を見ても、飲み物だけって人が多い。一軒の店に入ってみたが、やはり昨日のホテルのレストランが特別高い訳じゃないと納得させられる価格。よその街の倍近い訳だから、さすがにジモティーも覚悟を決めないと入れないってことで閑散としているんだろう。
 と言う訳で、ルーマニアで安い料理をと言うと、またシュニッツェルになるのだな、最近カロリー取り過ぎは明白なので、付け合わせは無しにしてグリーンサラダなんてのを頼んだ。砂糖をまぶしたレモン、ラディッシュ少々、後はウサギの餌みたいに細かく刻んだ葉っぱが山盛り。
 パンは要らないとはっきり言ったのに、伝票にパンがしっかりついていた。値段はわずか0,49レイ、約25円だが、しっかり間違っていると告げる。私は気が小さいので、今までも食ってもいないパンや唐辛子に金払って来たが、要らないと確認した上にテーブルに持って来てもいないものの金取るってのは無いだろう。
 繰り返すが、シビウになんか来てはいけない。外国人観光客がルーマニアに来ると言えば、首都のブクレシュティとブラン城、後はお好みに合わせて世界遺産をいくつかという所か(黒海沿いのリゾート地って手も有るな)、「ヨーロッパの文化首都」なんて意味不明のイベントに付き合って、無理してシビウに足を伸ばしたら、せっかくの旅の気分をぶちこわしにされるんでないか。

あちこち工事中の道を歩いてバス駅へ。英語が今一の切符窓口のお姉さんに聞いたら、クルージナポカへは20レイ、指で4を作ったのは4番乗り場の意味だろう。昨日そこに停まってたし。
 水だけ仕入れて待合室で到着待ち。気が付けば昨日とは違って20人乗るのがやっと(運転手の隣に二人乗れるのを入れて)の小さいバスがフロントガラスにクルージと表示していた。運ちゃんに確認してから、切符を買って乗り込む。
 クルージナポカってのはクルージとナポカが合併して出来た街なんだそうだが、時刻表や道路標識なんかの公的な表示はともかく、テレビの天気予報や普通の人の会話やなんかでは常にナポカの方は無視されているようだ。
 途中缶ビールを手に乗り込んで来た一団、次の停車は何時だ、トイレが我慢できないとか言って、バスを変な場所に止めさせる。そりゃビールをがばがば飲めばトイレも近くなるわな、なんて思っていたら、ついでにビールのお代わりを買って来ていた。
 途中まで酔っぱらいの話し相手をしていた愛想の良い方のお姉ちゃん、途中で付き合いきれなくなったか、どこかの街のタクシー乗り場で降ろしてもらってタクシーに乗り換えていた。愛想の悪い方のお姉ちゃんは早々と空いた席に逃げ出していた。
 ルーマニアで中距離のバス移動をしたのはこれが初めてか。道路整備がまだまだだな。スペインでもバス移動が多かったのだが、結構道路はきれいに整備されていた。道の途中は殆どがなだらかな丘陵地帯、時々畑や民家が見えるのがモンゴルの大草原と違う所。

日記に晴れ続きと書くと雨になる。外は小雨、バスは街の中心部を通り抜けて、街外れのバス駅に向かう模様。予定が決まっている人は、街の中心部で降ろしてもらうべきだろう。鉄道駅で私以外の客がみんな降りちまったので、私も降りる事に。本当はバス駅まで行って、バスの時刻も調べておきたかったんだが、ガイドブックの地図と全然違う方向へ行きそうだったのでやめておいた。どうもクルージナポカにはバス駅が2つ有って、ガイドブックに載っているのはそのうちのベータの方らしい。ま、ガイドブックなんて全面的にあてにしちゃいかんわな…。
 駅に行こうと地下道を降りた途端に思ったね、あららこの街ヤバいわ。ブクレシュティの北駅も治安が悪いと言うことになっているのだが、私が行った時には真っ昼間だったせいかそれほどじゃなかった。んが、夕方のクルージナポカの駅、ここはヤバい。地下道には獲物を狙う眼で出入り口付近をうろちょろする奴数人、夜間、女性の一人歩きはまずいな。クルージナポカに来ようと思う人は遅い時間に到着するのは避けた方が良い。

人口ではブラショフの方が上なのかも知れないが、都市化って点では間違いなくクルージナポカの方が都会だな。ここに比べたらブラショフは田舎街。小雨の中を歩いて街の中心部へ。
 ガイドブックに「この値段で設備は充実している」と書いてあったホテルの有るはずの辺りは激しく工事中で見つけることができない。ガイドブックにも値段が書いてなかったし、
もしかして再開発で無くなっちゃったのかも。
 雨がどんどん激しくなって来た。お手頃宿が見つかりそうも無いので、ルーマニアには珍しい馬鹿でかいカトリック教会の真っ正面、ロケーションが良過ぎて敬遠していた三ツ星ホテルへ。
 雨でびしょ濡れだったのがいけなかったのか、例の「ダブルのお部屋しか相手ございません」のお返事。今までルーマニアのホテルで「一人」と言ってシングル価格で泊まって来たが、本当にシングルの部屋だった試しは無い。「ダブルのお部屋しかございません」はお断りの決まり文句なんだろう。
 さすがにびしょ濡れで宿探しをしているのを気の毒に思ったか、この先にホテルトランシルバニアってのが有るからってのを教えてくれた。まぁ、あんたにはそっちの安宿がお似合いだよって意味も有った(そっちがメイン?)かも。

ビールやら石けんやらを売っている、いかにも安宿のフロントって感じのフロント、受付にはちょっと怪しいけど一応英語で受け答えしてくれる可愛いお嬢さん、部屋は空いていると。税・朝食込みで110,3レイだと。ルーマニアは物価が安いと言っても、ホテルと名がついてバス・トイレ付きって所にはなかなか5000円以下で泊まれる所は無いねぇ。
 値段だけ聞いたら鍵を渡されたので、探しまわってようやく辿り着いて、濡れたものを着替えたりして、トイレに入ってたらフロントから電話。チェックインしにこいだと。ま、普通はそうだな。宿帳を記入して、安宿は当然先払い。「ご到着時にお支払い」なんて言っていたから、そう言った決まり文句以外はあんまり英語ができないんだろう。正確には110,27レイ、時々やたら中途半端な値段をつけている宿が有るがなぜなんだろう。安宿にしてはカードが使えた。
 そう言えば、ブラショフでおやじさんの家に泊まった時には当然宿帳なんて書いていない。ルーマニアでは外国人は居所を常に警察に届けないといけない(ホテルに泊まった時はホテルの責任)ことになっているはずなんだが、良かったのかね。

再び濡れたものを干して、晩飯場所探し。時間は8時ちょっと前、雨は小やみだが、いつ本降りになるかわからないって状況。またびしょびしょになりたくないので、近所のホットドッグスタンドと三ツ星掲示のレストランカフェとで迷ったのだが、レストランカフェの方へ。
 失敗。高い。どうもお洒落なジモティーがちょいと贅沢して雰囲気を楽しむための店だったみたい。レストランの表示があったのにメニューはお洒落なカクテルばかり、食い物メニューはとボーイに聞いたら、後ろの方にちょこっと載っていた。インフレのシビウよりもっと高いぞ。
 外食の少ない国民性だと安宿は有っても、安食堂は見つけにくいこともあるようで、オランダでは随分苦労したもんだが、ルーマニアでもそれに近いものがあるかも。どうせ高いビールを飲むならと、久しぶりのチェコビールを頼んで、おつまみにしようとフライドポテトを頼んだら、それは付け合わせだから料理と一緒で困るというのをたどたどしい英語で説明してくる。それじゃサンドイッチにしてくれと言う事で、ビールとサンドイッチだけの晩飯に。

物足りないからもう一度ホットドッグスタンドを覗いてみたら、もう閉まっていた。ま、最近食べ過ぎだからたまにはこんなもんで良いか。宿のフロントは英語なんて話さないよって顔したおばさんに交代している。ビール買うか一瞬迷ったがやめにして、部屋に戻って夕寝。3時間あまりのバス旅行の間、殆ど眠れなかったしね。