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1115 OOPer: 2006-05-08 04:31:48
第13日要塞的ルクセンブルク
朝食会場にあった噂の卵ゆで器、生卵を放り込んで6分待ったが生だった。どこかスイッチを入れないといけなかったのかもしれない。朝食のテーブルに殻を割った生卵を置いてきたのは私です、すんません。

部屋を片付けてチェックアウトする時に、フランス語で部屋がどうのこうの、何か忘れ物したかと思って英語で言い直してもらったら、空き部屋が出たそうな。せめて朝飯の最中に言ってくれたら、良い雰囲気の街だしもう一泊ってとこだったんだけどね。
 ホテルの真っ正面が駅、ルクセンブルク行きの切符は国際線だからか、普通の窓口では買えず。トラベルセンターの窓口のおじさん、たった今出たとこだよ、毎時42分なんだよね、次は11時42分3番線だからね、いや、ホームは発車直前に変更になるかもしれないから確かめとくれよ、英語が苦手っぽい係員がフランス語の単語まじりで、とっても親切なんである。

1時間近く間があるから古代美術館でも見て、と思ったらチケットをどこで買うのかわからない。奥の入り口に係員らしき人がいたから、開いてたんだとは思うが、30分くらいで出るのにあれこれ親切にしてもらうと困るので、やめにした。駅の構内のカフェでコーヒーを頼むと、お持ち帰りかここで飲むのか聞かれた。こう言うよくあるフレーズもまだはっきりとは聞き取れないので、しばしの間の後、指で足下を指す。お持ち帰りの場合なら、指で出入り口の方を指す、ってことで大抵は通じる。

コーラの自販機でチャリ銭を処理して待っていると、2階建てのぴかぴか車両が到着。駅毎に止まる駅名の表示もあるのでわかりやすい。今回は、終点までだから関係無いんだけどね。
 私の向かいに乗っていたお姉さん、どうも正しい切符を持っていなかったようで、検札員(今日は二人組、単なる検札ではなく、キセル摘発だったみたい)とあれこれお話なすっていた。車内表示にも有効な切符がなければ最大190ユーロの追加料金、とあったので、やっぱ日本の感覚で切符なしで乗るのは止めた方が良いかもしれない。

時折牛さんが草を食んでいるなだらかな丘陵地帯を通ってルクセンブルクまでは約2時間。ルクセンブルクの首都はルクセンブルク市なんでわかりやすいんだが、ベルギー内にもルクセンブルク(フランス語圏なんで本当はリュクサンブール、車内アナウンスなどはリュサンブールに聞こえた)州なんてのがあるのがわかりにくい。
 列車の車内表示とアナウンスは最後までフランス語だけ(だったと思う)、ルクセンブルクにはルクセンブルク語ってのがあって、これがまあ日常会話には使われているはずなんだが、街の標識は2カ国語併記かフランス語だけって方が多い。

駅の国立観光案内所の職員、日曜日は13:45までお休みのはずなのに、その前からしっかり働いていた。ベルギーでは思っていたほど英語ができる人が多くなかったので、一応「英語できる?」なんて聞いてしまった。ちょいとフランス訛り(ルクセンブルク訛り?)が入ってたが、丁寧に応対してくれた。ちなみに国立観光案内所でくれるホテルリストと観光パンフはやたらとでかかったので、ルクセンブルク市内にしか行かない人は、街の中心部にある市立の観光案内所に行った方が良いかも。
 街中に出て、市の観光案内所のあるアルム広場ってとこまで歩いてみて、Quickで昼飯。いや、空いてたんだわ。国立観光案内所でもらったホテルリストに載っていた広場近くのホテル、「@」=部屋でインターネット接続可、ってな表示があるのにカフェでしかつながらないと言われた。この調子で一軒ずつホテル巡りをするのも大変なんで、市の観光案内所で予約ができるか聞いてみると、もちろん予約はするけどその前に選んでくれなくっちゃねと可愛いお姉さん。けど、市のホテルリストではインターネットできるかどうかまでは書いてないのだな。
 国立でもらったリストでインターネットができると書いてあった中で一番安い駅前ホテルに電話してもらった。今日は週末割引で68ユーロ、明日は平日なんで92ユーロだとさ、朝食別で。んじゃ、朝食は良いやってことで予約を入れてもらった。

駅前まで歩いて戻ると結構な距離なんだよね。予約したホテルはメルキュール系列(駅の真っ正面にも同系列のホテルがあったけど、こっちは私が一生足を踏み入れそうもないピカピカ4つ星)なんだけど、隣がストリップ小屋、その隣がナイトクラブだとかキャバレーだとか看板を上げてるけど、ま、日本で言うピンサロみたいな店のようだ。
 フロントに居たお姉さん、英語も今一だし、何か他の用事があったのか妙にそわそわした様子で、てんで接客態度がなっていない。インターネットも別料金らしいし、部屋には液晶テレビ(ヨーロッパの宿で液晶テレビってのは初めてかも)以外に冷蔵庫もなければティーセットもない。一休みして、街歩きのためにフロントに降りた時には「日本から急な連絡が来て、明日出ることになったんだ」ってことで一泊はキャンセル。この時のお姉さんは英語もうまかったししっかりした感じだったんだけどね。

市の案内所でもらった街歩き地図の通りにあちこちを回る。市庁舎前の広場はいろんな屋台で埋め尽くされて、完全なお祭り状態。今日が何かのお祭りなのか、この時期のルクセンブルクの日曜日がいつもこうなのかは、よくわからない。ちなみに駅前から市の中心部までの道は殆どの店が閉まっていてひっそりしている、って普通のヨーロッパの日曜日の光景だったんだが。これだけ安くて美味しいおやつの屋台が出てれば、ファーストフード店なんかには入らんよな。でもマクドの方にはそこそこの客が入ってたぞ。
 ルクセンブルクってのは一人当たりのGDPが日本の2倍くらいってお金持ち国家だそうだ。歴史的には自然の地形(あちこちが断崖絶壁になっている)を利用した強固な要塞として発展してきたらしい。近年はEU統合のシンボルとして欧州議会(だったっけ?)があったり、ヨーロッパの金融産業の中心地(日本の大手銀行の欧州支店なんかもあって、長期駐在の日本人も一杯居るはず…なんだが、よくわからなかった、日本料理店はぽつぽつあったが)として発展している、って事らしい。絶壁を降りて街の真ん中を流れる小さな水路沿いに歩くと、この石の壁の上に近代的な町並みが広がっているなんて嘘のよう。

あちこち寄り道しながら街を回ると宿のある駅前に戻る。やっぱ一国の首都の駅前にはやばそうな人たちが結構たむろしているわ。交差点をぐるぐる何度も周回(もち歩いてだよ)してる奴、バス停にいるのにバスが来ても全然乗る素振りも見せずに周りを伺ってる奴、やたらと駅に出入りする人の背中にくっついてしばらく歩いてる奴。みんなギラギラと獲物を狙う目をしてるわ。
 と言う訳で、内装はファミレス、値段は普通のレストラン並み、店員の応対は日本のファミレス以下、味は金返せってほどまずくはない、なんて駅前レストランで晩飯にしてしまった。市の中心部にはお手頃価格でうまそうなお店も一杯あったのだが、暗くなってからの駅前は超ヤバそうだったので、あきらめた。ナミュールの駅前の雰囲気がまぁまぁだったんでつい駅前ホテルにしたんだが、失敗。街の中心部に近い側にも安ホテルがあったんだからインターネットなんかに拘らずそっちにしとけば良かったよ。

宿に戻ってもまだ7時過ぎ、たっぷり日記を書く時間があるわ。

写真は大公宮(ルクセンブルクの君主はグランデュク…通常大公と訳される)の衛兵さん。