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1507 OOPer: 2007-05-03 06:16:56 8
東欧日記第14日 暗く寒いイャシ
朝飯は昨日とは別のウエイター、やはり注文は聞いてくれないが、目玉焼きが2個付いていた、私の心の叫びが聞こえたか。チェックアウトの時に朝食券をくれた、そんなものなくても朝食は食えたのだが。持って行ってたら、もっと良いものが食えたのだろうか。

歩いて数分バス駅へ。少し早く着き過ぎた。しばらく待ってイャシ(ガイドブックでは「ヤシ」になっているが、イャシの方が現地発音に近い)行きのマイクロバスが登場、おやじさんが現れて名前を呼び出す。予約しておいた客を呼んでいるらしい。それだけで席は一杯、あきらめて駅に出る。
 先に来たバスが無印駅行きだったので、そちらへ。殆どの列車は北駅と無印駅の両方停まるから問題無い。英語のあまり出来ない窓口のおばさんとやり取りして、イャシ・コンスタンツァ経由マンガリア行きの切符を購入。イャシ・コンスタンツァ間は、昨日調べておいた夜行である。マンガリアというのは、ブルガリアとの国境に近い黒海沿岸の保養地。
 無印駅発は11:30、バス駅で次のバスを待っていれば11時のが有ったのだが。30分あまりぼーっとして、11時になった所で駅前ケバブが早目の昼飯。

イャシまでの数時間は何の事もなく。駅に着いて「NON-STOP」の表示のある手荷物預かりへ。スチェアバの駅でも同じ表示があった。私はルーマニアについて以来、カフェなどによく表示してあるNON-STOPマークは、中に置いてある賭博遊技機か何かが打ち止め無しってことなんだろうと思っていたのだが、ルーマニアでは24時間営業(実際には数時間休みが有る場合もあるが)のことを表すらしい。私のリュックは小手荷物扱いで2,50レイなり。預ける時にパスポートを出せと言われた。モルドバ共和国(ルーマニア語が通じるらしいので、内政が安定していたら、1日時間を取って寄ってみたかったのだが)との国境に近い街なので、チェックが厳しいのだろうか。

駅から街の中心部までは1km足らず、当然歩く。狭い路地のような道を路面電車がすり抜けて行く。大聖堂は激しく工事中、中には入らなかった。国立劇場前はちょっとした公園、市民の姿がちらほら。三聖人教会はもっと激しく工事中、外から足場を眺めただけ。
 メインエベントのはずの4博物館を抱える文化宮殿、建物はとーっても荘厳で立派なのだが、手書きのメモ用紙に「2007年5月1日閉館」と。今日はメーデーだから、先進国はみんなお休み(一応先進国を名乗っているくせにメーデーを休みにしていない国を1つだけ知っている)、ルーマニアでもお休み、バスも列車も休日ダイヤである。
 ここまででかなりトイレを我慢している。しばらく歩いて、表に温室みたいなガラス張りのオブジェの有るショッピングセンター、中に飲食店は有るのにトイレはなかった。
 あちこち歩いてみたのだが、結局ガイドブックにも載っているモルドバモールへ。さっきのショッピングセンターよりもちょいと高級なブランドショップが沢山入っている。メディアギャラクシーも有った。トイレは無料、あちこちに警備員が居て、いかにもトイレ借りに来たみたいな顔しているとつまみ出されるので、優雅にウインドウショッピングの顔を決め込むこと。

少し足を伸ばして、ガイドブックに載っていた晩飯場所候補の店をチェック。あの地図ではわからんな。ま、後述するが調べてまで行く必要なし。
 イャシの街、ちょいと歩くと公団住宅みたいな建物の隙間に由緒ありげなモニュメント、ガイドブックでもきりがないからか、殆ど書かれていないのだが。有名無名を問わず、ひたすらあちこち工事中。

さて、列車の時間までまだ5時間以上、晩飯には早すぎる、ガイドブックを見ると街外れ5km程行った所に要塞修道院というのが有るらしい。当然歩く。文化宮殿の横に出れば、向こうの小高い丘の上に見えている。見えていれば行けるのだ。
 文化宮殿の脇を抜けると普通の市民が暮らす街になる。メーデーの街中がひっそり閑としていたのに比べると、活気がある。大きな通りの歩道にはいろんな屋台が並んでて、ミニ市場のようになっている。

更に進んで郊外って感じの所で方向転換、丘の上を目標にひたすら歩く。途中ちょいと間違えもしたが、ちゃんと要塞修道院の看板の有る場所にたどり着いた。
 修道院のある丘は、なだらかな起伏で、あちこちで市民がピクニックでバーベキュー、時間はもう6時近いのだが、まだこれからと言う感じのようだ。お肉の焼ける匂いがすきっぱらに応える。
 文化宮殿前から1時間あまり、無事修道院入り口に到着。脇に有った汚くて、扉を閉めると真っ暗になるトイレで用を足す。今日は曇りがちでかなり寒いのだな。
 背の高い塀に囲まれているって点以外には、何程の特徴もない。ガイドブックでは入場料が居ることになっていたが、どこで払うかわからなかったので、そのまま下山。

文化宮殿の裏手まで降りた所で、屋台のミティテイを買おうと思ったら、10分以上待たされた。本来はこんな感じで屋台でたこ焼き気分(お持ち帰りすると船に乗せて爪楊枝をさしてくれる)で食うものらしい。この後食事だから、時間がかかるなら別に良かったんだけどね。

ガイドブックに載っていたレストラン、ルーマニア料理も今日で終わりかもと思いつつ、ガラガラの店で牛肉を頼んだらまずかった。シビウで食べたのがうまかったので期待していたのだが。
 達筆で読めなかったが、どうやらチョルバの唐辛子とパンも付けられている。しかも食パン(ルーマニアで一番一般的なのは、白い食パン)じゃなく、胡麻付きパンが出て来ていたのだが、パン代だけで2,50レイ、しかも牛肉のお値段がメニューに載っているのと違っている。メニューをつかんで文句を言おうとした所で、「あなたが食べたのはグラム数が多かったの」だと。はいはい、まいったよ。
 あんな店無理に行く必要ないぞ。トイレに降りたら地下にもテーブルが有って、そっちはジモティーらしき人々で賑わっていた。

すっかり空は暗くなったが、ルーマニアの街はどこも街灯が明るい。とは言え、知らない街で一度も歩いた事のない道、しかも普通に曲がりくねった道が多い。何が起こるか小学生でもわかるな。
 おばさん、「逆だねぇ、あそこの角を曲がったら良かったんだよ」(殆ど推測意訳)。一瞬迷った曲がり角、逆に行くとすぐ駅だった。

駅に着いて愕然、駅舎が真っ暗で誰も居ない。そこでようやく気が付いたのだが、イャシの駅自体も激しく工事中で、現在は隣接するイャシ北駅で駅務を扱っているらしい。今日はメーデーで工事もしていなかったし、駅舎の外側自体はほぼ出来上がっていたので、昼間は全然気付かなかった。

列車の時間まで、まだ1時間程。仮営業って雰囲気満タンの駅舎の近くには、座ってコーヒー飲めるような店はない。(イャシは都会だからテイクアウトでよければ、あれこれ食い物や飲み物は売っている。)新駅舎を挟んで反対側にマクドが有る。そう言えば、今回ルーマニアのマクドには一度も行ってないなと思ったのが運の尽き。
 メニューを十分見れないまま、順番が回って来たので、日本と同じ感覚で、一番安いだろうと思ってマックチキン(西ヨーロッパの各国でもこいつは1ユーロマックの1つ)とコーヒーを頼んだら、11,20レイ、約560円だと。思わず何が起こったのか理解できずに固まっちゃったね。ルーマニアのマクドではビッグマックとマックチキンが同じ値段の360円なのだった。(コーヒーは200円、周辺のテイクアウト店の4倍以上。)死ぬ程後悔。
 せめてトイレくらいと、用を足してから(今日は用を足す話が多いな、寒かったのだ)外に出ると物乞いが。私は物乞いは嫌いなんだが、このマクドの外に立つのだけは気持ちがわかったような気がした。ルーマニアのマクドで飯を食うようなやつからは、食事と同じ金額税金を徴収するべきだな。

いつ乗り込めば良いのかなと思いつつ、アナウンスがあるまで待ってから乗り込んだら、私のコンパートメントは既に5人も乗っていた。1,5人分の体格のおじさんと、着ぶくれで1,5人分の場所を取っているおばあさんの間に座る羽目に。4人がけの席の真ん中は飛び出たヘッドレストのせいでもたれることもできない、これで8時間15分はちと厳しいぞ。