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1140 OOPer: 2006-05-20 05:23:34 1
第25日チーズ市コンサート
未明には強風が吹き荒れて大雨だったのだが、少し小降りになってきた。宿のやってるカフェレストランの朝飯はごく普通のオランダ風。食い終わった頃には雨は完全にやんでいたが、空はどんより曇り空、相変わらず時折強風が吹き荒れて肌寒い。

10時過ぎに計量所の前へ行くと、既にチーズ市は始まっている。スクーターのタイヤほどの大きさのある黄色いチーズの固まりを沢山積んだそりのようなかごで、色とりどりの帽子をかぶったお兄さんたちが計量所からトラックへと運んでいる。ほとんど観光客向けのショーだねぇ、こりゃ。昨日は見なかった日本人観光客も団体でお越しのようで。
 昨日は入れなかった教会へ行って内部を見てみる。何やらコンサート用の会場セッティングがしてある。今日はオルガンコンサートなんだけど、しょっちゅう何かに使っているのかね。中にはカフェもある(外部や隣接した建物にある事は珍しくないが、中ってのは普通無い)し、保存用の博物館兼コンサートホール扱いで、実際の教会としては使ってないのかもね。

コンサートまでは1時間ばかりあったので、再入場させてくれるか確認して再び街中へ。今日はあいにくの天気のせいで観光客も少なめなんだと思う。計量所では1ユーロであなたの体重も量ってくれるそうである。是非チーズの固まりと比べてみてちょ。
 テルスヘリングで船を待っている時にも思ったんだが、一人で珈琲飲みながら時間を潰していると、一緒にお茶してくれる相棒が欲しくなるね。人生の相棒でも良いけどさ。
 オルガンコンサートの会場はガラガラ。コンサートの最中も単なる見学客が入るから、奏者がちょっと可愛そう。白ロシア出身だって。

ガイドブックにも載っていたお洒落なレストランのランチメニューでお昼ご飯。ディナーの価格はそれなりだけど、ランチタイムにはカフェ並みの値段で軽食を提供しているのだな。他の街ではレストランでこんなお昼の軽食を出すところはなかなか見つからなかった。

宿に戻って一休みしていたら、4時近くになってしまった。ホールン行きの切符を買って、列車に乗る。
 窓から見えるオランダの風景、今では何に使われているのかわからない昔の風車、何百メートルにも渡って1列に並んでいる発電用風車、水路と水路の間に広がる牧草地。オランダ滞在ももう後2日、何もかもが懐かしいって感じだね。
 羊の家族が柵の切れ目を探してか、水路の際でたむろって居る。大人しく(羊というのは大人しさの象徴だよね)牧草食って毛を刈り取られ肉を食われるのを待っているだけに見える羊たちの中にも、柵の外の世界に飛び出したいと思っているのが居るんだろうか。自分は柵の外に飛び出したんだろうか、柵の内側で牧草と戯れているだけなんだろうか、ふと考えてみる。

ホールンに到着しても強風はやまない、小雨が降り出している、博物館等はもうみんな閉まる時間。何でこんな天候のこんな時間にわざわざ1200円も電車賃使って小さな港町を見に来るかね。
 ホールンのお店は5時半には殆ど閉めるようで、今日は早めに店仕舞いしているところも多い。レストランの値段はアルクマール並み、この値段ならアルクマールで食べるってば。
 海岸(実際にはアイセル湖畔だから湖岸)は、まともに海風が吹き付けて寒い寒い、雨も少しきつくなってきた。さっさと駅に行ってアルクマールに戻ることにする。滞在時間50分足らず、何しに来たんだか。
 駅に着いたら時間通りに来たアムステルダム行きに乗る。全く同じ時間に同じホームの両側に列車が到着する(時刻表通りなら)んだが、アルクマールにはどっちも停まるようだ。

車中で再び物思いに耽ると、外はもう雨がやんでいる。止まっている駅の名前は行きに見た覚えの無いところだ。もしかして乗り過ごしたのか、と一瞬慌てたが、まだ発車して15分しか経っていない。行きの時は見過ごしていただけだろう。
 と思って物思いに耽りかけたのだが、やはり微妙に外の景色の様子が違う。手元のガイドブックの鉄道路線図を確認。ホールンからアムステルダムまで行くのにアルクマールを経由していると思いっきり遠回りになる。次の駅はザーンダム、アルクマールとは90度方角がずれていた…。

ここで検札に遭ったらドイツに続いてだなぁ、オランダの方が罰金は5ユーロ安いけどさぁ、等と考えつつドキドキしている間にザーンダムの駅に着く。とっとと下車してアルクマール行きの切符を買い直し。
 ホームで冷たい風に当たるとトイレに行きたくなってきたのだが、この駅トイレがどこにも見当たらない。今度は行き先をちゃんと確かめなくちゃと思って1本見送ったせいで、次のアルクマール行きまで20分以上。我慢できるかな。
 快速列車に乗車したらWCの矢印が両方向いている。誰かがいたずらしたな。ま、私も時々この程度のいたずらはやってるが。この際我慢しようかな、なんて思っていたのだが、女性が一人トイレの方へ。あっちがトイレだとわかった瞬間我慢しきれなくなって、トイレのドアの前で空くのを待ってしまった。

アルクマールに帰り着いたら7時過ぎ、面倒くさくなってきたから宿のやってるカフェレストランでいいやと思って入り口の扉を開けようとしたら、後ろの方から通行人が「終わってるよ」の声。ドアは開かなかった。
 仕方ないから街中に出たら、もう8時近くになろうというのに教会の横から楽隊に引かれた子供たちの集団が。手には花を持ってて、沿道の大人たちが更にお花を渡したりしてる。何なんだ今日のアルクマール?
 昨日断られたカフェは今日も一杯。誰かアルクマールに行く予定のある人は、あの店が本当においしいのかどうか確かめて来てほしい。チーズ計量所から小運河を渡った角にあるDe burenってお店である。
 さらに仕方ないからビール博物館(博物館そのものはブリュセルで懲りたのでパスした)の方へ。トラピストビールが飲めるらしいから、濃いトリプルとおつまみで、なんて思っていたのだが、入り口の外にまで人がはみ出していた。広場では大騒ぎが続いてるし、何なんなんだアルクマールの街は。コープアーヴォントだけじゃなくて、花金もお祭り騒ぎの日なんだろうか。そう言えば、他の街よりカフェやレストランが一杯あるのもそのせいか。

さらにさらに仕方無いで入ったお店はメキシコ料理の店だった。前菜に何やらよくわからんものを「これ」で頼んだら、空のタコス生地が1枚とイカスミで味付けしたらしい黒い不明の物体が入ったものが1枚。メインで頼んだ「肉入りチリ」ってのは、辛く味付けした挽肉が小鍋一杯と、タコス生地2枚。料理の選択を誤ったかも…。隣のテーブルの家族連れの中の親父が食っていたスペアリブは量も多くてうまそうだった。
 時間は9時を回ったところ、広場ではまだ子供たちが大騒ぎしているし、雲の切れ目が見えてきた空は、食事前より明るくなっている。今夜もどこのカフェも盛り上がってる、缶入りのハイネケンではどうせ酔えないし、今日はこのまま宿に戻って日記書きだ。

写真はチーズの計量の様子