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1451 OOPer: 2007-04-23 05:05:21 2
東欧日記第5日 せんべいは無しよのブラン城
さんざん寝てるから早朝には目が覚めてしまう。おやじさん手作りの朝飯は8時丁度、オムレツとスライスしたトマトにパンが2枚とココア、トマトは丁重にお断りした。
 朝ガイドブックを見ていて気がついたのだが、スター百貨店というのが食料品店も有って、土曜日でも夜の8時まで開いているらしい。昨日の親父さんが買い物してきたというのはそこだったのかも知れない。それで気がついて調べ直してみたら、「開店(営業中)」と「閉店」の単語を逆に覚えていた。この辺の単語(さらに「押す」「引く」も)旅行用の基本単語として、ガイドブックに載せておいてもらいたい。

バス駅2に付いたら、ATMが無いことに気が付いた。それっぽい機械は両替専用機。結局宿の近くまで戻ってようやく一つ発見。まだ足が痛いからあんまり歩きたくないっちゅうのに。
 私がバス駅2に戻ったところで、「ブラン」と書いたバスが乗車開始したところ。席を確保した後も次から次へと乗車してきて、後の方の人は立ったまま。ドイツ語をしゃべっているお子様の団体も乗ってきた。修学旅行か何かか。「あんたらそんな発音するんだべ、うちらはこう言うだ。」なんて方言話をしている奴らも居たので、同郷のようには見えなかった(聞こえなかった)のだが。ちなみに日本だと地方在住の人には、公共の場で方言で話すのを恥ずかしがる人が結構居るようだが、ドイツ人なんてお構い無しにお国言葉でしゃべっている。そんなことを恥ずかしがる方がおかしいと思うのだが。

ブランまで1時間近い道のり、途中おやじさんお勧めのルシュノフのバス停の場所を確かめておく。街外れの山の上、ルシュノフと書いた看板(この辺りの街は、山の頂上に看板置くのが好きなのか)の所に何やら建物らしきものが有る。
 終点だと思っていたブラン城は終点ではなかったのだが、殆どの人がどばっと降りたところで降りたらそこが入り口だった。ま、停留所一個くらい間違えても、見えてるんだから、辿り着けるわな。(…。)

ドラキュラ伯爵の居城のモデルとなったブラン城への参道(?)は、例によって土産物の屋台が並ぶ観光地スタイル。大きな「i」の字が有ったのだが、単なる土産物屋だった。もうちょっとまともな案内所を設置しても罰は当たらないと思うぞ>ブランの街の人。
 お城からかなり離れた場所にチケット売り場が有る。入場料が12レイ、カメラ持ち込みが10レイである。ちなみにペレシュ城ほど厳格な管理をしている訳では無く、入場の時にポケットに入れておいたら、後は全くノーチェック。お城の中はちょっとした博物館になっているのだが、壁は白塗りしてあるだけだし、置いてあるものはそれっぽいアンティークをあちこちから寄せ集めただけのようだし、中を見るとかえってがっかりするかも。金払ってまで撮影するほどのものは無い。
 前の持ち主は維持費に困って市に寄贈したかなんかだから仕方ないか。税金で養ってもらえる王様じゃない限り、貴族がお城を維持できるような時代じゃないのだな。

同じ敷地内に、この地方の民家を保存展示しているスペースが有るのだが、外から見るだけなんで、似たり寄ったりの建物が並んでいるだけに見える。中に入れるようにすると、維持管理が大変なんだろうが、あれではあまり意味が無いように思う。ちなみにその周りにも多数の舌ダラリンのお犬様が寝転んでいた。
 近所のレストランにはドラキュラ定食でも無いものかと覗いてみたのだが、お化け屋敷は営業していたもののレストランの営業はまだだったようだ。近所の土産物屋にもドラキュラせんべいやドラキュラまんじゅうは無かった。
 他のレストランを覗きに行こうかと思ったところで、宿のおやじさんにばったり遭遇。何でも日帰り見学で、今夜の夜行で発つというアメリカ人3人組を連れて来たのだそうだ。忙しい旅だなぁと言うと、こちとらの商売の種にはなるから、と。
 日本語を話すルーマニア人に案内された日本人観光客もいたから、国際的には一番の観光資源でないの、確か売りに出されているはずだから購入してみては?

ドラキュラ定食のあるレストランは見つからなかったので、ブラン城のバス停からルシュノフへ。おやじさんは1,50レイだと言っていたのだが、2レイだった。ちゃんと印刷された運賃表が有ったからボラレたわけではないと思う。
 今回は満員で座れず、ルシュノフには3つの停留所が有ったのだが、最初に確認したブラショフ寄りの停留所まで行ってから降りてみた。朝乗っていたドイツ人おこちゃま軍団は真ん中の停留所で降りたし、真ん中の停留所を通った時に、かなりきれいに山頂のお城が見えていたのだが…。

適当に山に近づいて行くと、街外れ、山に登れる道が見えてくる。近くまで寄ると思ったより低い山なんで、ま、登っても良いでしょって感じ。逆に言えばロープウエーとか通すほどの高さじゃないんで、ちょい中途半端かも。
 途中のペンションまでは車も(頑張って覚悟を決めれば)通れる状態になっていたのだが、その先は本当に山道って感じ、人が通った跡は有るものの(要はゴミが一杯落ちている、もうちょっときれいにしなさいよ>ルーマニアの人)人影は無し。何で俺はヨーロッパまで来て山道を登ってばかりいるんだ、といつもの台詞で自問しながら登り続ける。ガサガサと木の枝が動く音、まさかイノシシでも出るんじゃないだろうね、こんなところでイノシシに跳ねられて大けがは嫌だよ。

てな感じでくたくたになって再び車の通れそうな道に辿り着くと、結構人が歩いている。別の所にもっと登りやすい道が有ったのか。お城の脇には駐車場も有って、車も何台か通って行った、砂埃巻き上げて。
 ボロボロの山城(バス道に建っていた看板によると13世紀頃のものらしい)なんで、安く見れるのかなと思ったら、入場料は10レイ、カメラ5レイなりだった。「カメラ無し」と言って10レイで入場、ここも入り口以外でのチェックなんて無かったが、私は正直者なんで、入場後は撮影していない。
 んでまぁ、周りの景色以外は撮影するほどのものは無い。奇麗に修復されている部分は土産物屋になっているし、それ以外の部分は修復中なのか放置されているだけなのか、瓦礫の山、トイレは排水処理が悪いのかやたら臭いし、この内容で10レイ取るのは厳しいぞ。
 でも、まぁ、景色が良いのは本当なんで、まだ頂上付近に雪を冠したブラショフ周辺の山々をじっくり見たいという人はどうぞ。

山頂のルシュノフの看板の脇をくぐると別の道が有ったのだが、途中倒木で通せんぼされて手すりまでぶっ壊れている。倒木を越えた後で、登って行く人とすれ違ったが、あの後、無事に頂上まで行けたのだろうか。
 降りた所がレストラン「お城」ってのになっている。ちょうど良いからここで飯、と思ったら英語メニューを持ってきたので、逆に料理の中身がわからない。こういう時のシュニッツェルなのだな。ちなみに計算より高いと思ったら「100g7レイ」と書いてあったシュニッツェルが150gで付いていたのと、今回頼んだ料理には全然合わなかったまずいパン、1枚しか食ってないのに3枚分付いていた。3枚で45円だったんで、カバーチャージ代わりだと思って払っておいたが、この辺りが微妙に微妙だな。

帰りのバスが来ない。1時間に1〜2本しか無いと言うせいか、地元の人もヒッチハイク風に白タクを引っ掛けている。私の場合、目の前の青いダキアに奇麗なお姉ちゃんが二人乗ってて、いかにもヤバそうな気がしたので、それはパス。じっと待っているのにも飽きてきて、街中央のバス停から、自分が降りたバス停まで歩き始める。歩いてる間にバスが来たらどうするんだ、もう1時間待つのか?
 と言う訳で、そっちのバス停でも時刻なんて貼ってない(周辺のバス停は停留所名さえ書いてない)ので、この状態で1時間待つのは嫌だなぁ、さすがにブラショフまで後20kmは歩く気がしないなぁ(8kmくらいなら歩いたかも)と思っている所へバスが来た。往路で乗ったのとは別のバス会社のだったようで、一緒に乗ったおばあさんと運ちゃんとの会話を聞くと「バス駅大」に行くらしい。要は鉄道駅の隣のメインのバスターミナルだな。宿からはちょいと遠いが、ま、良いだろう。

バス駅大(本当は無印)は、単なる駅横の駐車場、バスターミナルにさえ見えない。スペインだと、地方でもちょっとした街なら、いかにも「駅」と呼んで良いような設備の整った所が多かったのだが。
 鉄道駅の方で明日の行き先候補の時刻表をパチリ、宿までは普段なら歩く距離(2kmちょい)だったが、バス切符買う練習を兼ねてバスに乗ることにした。ガイドブックには1レイとなっていたのが、窓口の表示では1,20レイ、10レイ渡してもらえたお釣りが8,70レイ、どこに行っても計算の合わない国だわ。
 宿に戻る途中の食料品店で、大きな水、と言って買った2Lの水は2,00レイ、宿の冷蔵庫を勝手に使って冷やしておく。

夕寝が終わってごそごそしていると、おやじさんの姿が見えたので、晩飯場所やら明日以降やらの相談。特に良いレストランを知っていると言う訳でもないらしい。街に出ると言うおやじさんに途中まで乗っけてもらって、昨日チェックを入れておいたうちのレストランの1つでお食事。
 向こうの英語は片言、こちらのルーマニア語はほんの少しだけ、ってことでお互いちゃんぽんでの注文。ルーマニアのビールが欲しいと言ったのにTuborgしか無いとか言う、仕方なく注文。後はチョルバ・デ・ブールタ(前回はサワークリームを入れずに食ったので、再挑戦)とミティテイ(頼みたかったサルマーレが無かったので、見た目の安い奴、一切れ単位で1,50レイ、5切れ頼んだ)。クリーム入りのチョルバは味がまろやかになって、と言いたい所だが、しつこい味にくどい味が加わって、今一だった。ミティテイも先日のお店に比べて火が通り過ぎ、肉団子の細長いのなんで、それはそれで食えるのだが。
 エスプレッソと言ったらまたでかいコーヒーが出てきた。外国人観光客を見たら、頼まれもしなくてもダブルで出すのがこの国の習慣なのか、それと意味不明のSMANTANA1レイってのが伝票に付いていた。食べもしないまずいパンに金出すのは嫌なんで、パンが出てきた時には、はっきり「パンは要らない」と言ったのだが、言ってなかったらどうなったのだろう。
 レストランで飯食った後、伝票にどう付けられているのかドキドキするなんてのは4年前イタリア(2年前のローマ・フィレンツェではカバーチャージまでしっかりメニューに書いてあって、明朗会計の店の方が多かった)以来だな。