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1576 OOPer: 2007-05-12 05:19:53 9
東欧日記第24日 リラの僧院
朝食はわずかのハム、チーズが2種、トースト2枚、コーヒーか紅茶かとしか聞かれなかったが、コーヒーとオレンジジュースを注文。そろそろブルガリアの定番朝食を決める時が来たようだ、ブルガリアの平均的朝食はトーストである、断言してしまおう。

駅までゆっくり歩いても15分はかからなかった、1kmは無いな。近郊路線用のバス駅スミャーナ(と言っていたと思う、意味不明、単なる地名かも)で切符を購入、30分近く待つ。3つ星付きのバスだった。
 ソフィアに向かう幹線道路から、リラへ向かう2級道路へ。リラまでは途中の小さな町や村にやたらと停まるから、距離の割には時間がかかる。
 リラはのどかな感じの村って所だが、ちゃんとバス駅が有って、ソフィアとの直行便もある。バス駅近くのレストランでお食事。大した物を頼んだ訳でもないのだが、随分時間がかかった。リラの僧院行きのバスが出る5分前に食べ終わる。

バスの車内にはカザンラクでもお見かけしたご婦人二人、ソフィアからのバスで到着してそのままリラの僧院行きに乗り換えたらしい。
 リラの村が山の麓、懐の辺りとすれば、リラの僧院は完全に山の中、先ほどと違って途中に町や村も無く、ひたすら山道。30分ちょっとで僧院の門前に着く。

僧院の門前はちょっとした駐車場と売店が1軒有るだけ。路線バスの他にも観光バスが何台か止まっていて、結構賑やかではある。私の方は、まずは本日泊まれるかどうか、歴史博物館の横にあると言う受付を探す。
 ゲスト登録所と書いた扉は閉ざされたまんま。イコン博物館の前にいた係員のお姉さんに聞いてみると、普段でも受付は2時から、担当の僧侶様は本日大きな式典が有って忙しいから何時になるか分からないとのご返事、ちなみに流暢な英語。
 ゲスト登録所の方に戻ると大きな荷物を抱えた先ほどのご婦人が。別の男性に聞いたら、すぐに受付してもらえるようにする、とか言われたらしい。ちょいとお話しして、とりあえず交代で荷物を見張りながら見学する事に。
 聖母誕生教会というのは確かに立派、さすがにブルガリア正教総本山と言うか、外の張り出し廊下まで天井や壁がフレスコ画で埋め尽くされている。中は例によって撮影禁止だったので、外側をパチリパチリ。
 それ以外の部分は軽く様子を伺っただけで、2時を回っていたので、さっきの登録所に戻る。何でも担当の僧侶は文部大臣クラスの人も出ている式典に行っていて、何時に帰れるか分からない、宿坊の受付はその僧侶だけしか出来ない、なんてことらしい。ご婦人お二人は予約まで取っていたそうなのだが、近くにホテルも有る、なんて言われたのだと。

再び交代で見学。荷物を置かせてくれないかと聞きに行った時にしっかり断られてしまったイコン博物館は、英語表記の外国人向けは4レバ、ブルガリア語表記の方は1レフ、一応ブルガリア語で挨拶してみたのだが、しっかり4レバ取られてしまった。ちょっと広めの一間にイコンがぽつりぽつりと並んでいるだけ、行くのなら見学料ではなくお布施のつもりでどうぞ。
 歴史博物館は工事中なんで、昔の厨房後なんかを見たり、一番古い建物とか言う塔の2階部分まで上がったり、他に見る所も無いから、30分程、3時前にはまた登録所前へ。

このまま泊まれなかったら自分は17時のバスでリラに戻ります、なんて話をしていたら、僧服に魔法学校の校長先生のようなひげを蓄えた僧侶が近づいて来た。先ほど英語で詳しく説明してくれたお姉さんも横に付いてくれて、チェックイン開始。
 ちょっとしたパソコンの有るホテルと違って全部その僧侶の手書き手作業でやっているようで(パソコン自体は置いてあったのだが)、ちょいと時間がかかる。一人30レバ、ガイドブック表示価格よりちょい上がっていた。
 私のチェックインが終わったら3時半、部屋にはベッドが3つ、スプリングだけでマットを支えるハンモックタイプ、バスルームには部屋専用のボイラーが有るのだが、電源(ガスではないと思う)を入れてしばらく暖めておかないとお湯が出ない模様。まだ使っていないのに床はびちゃびちゃ、シャワーは後回しにして、周りの探索。ちなみに部屋にはもちろんテレビなんか無いのだが、宿坊の屋上には衛星受信アンテナが。僧侶たち用なのか。

裏門を出ると正面の川沿いにレストランが1軒(ガイドブックにも載っている)、もう1軒裏門を出た左手の山側にも有る。さらに道路沿いに150m程言った所にレストランもあるホテルが1軒。僧院内に食堂等は無い(普通の宿泊客向けのは無い、もちろん僧侶たち用のはどこかに有るだろうが)が、食い物に困ってひもじい思いをする事は無さそう。
 部屋に戻ってパソコン等の充電、昨日の宿、雰囲気は良いのだが、コンセントの数は少なくて、ものを置く台とかも無かったから充電せずに来たのだな。とりあえずここの宿坊には電気が来ている。

7時前に先ほどのご婦人二人と夕食。川沿いレストランは閉店、なんて言われてしまったので、山側レストランへ。メインはすぐ横を流れる川で穫れるという鱒料理。3人で分けて食えるので、今日はいつもの1品晩飯ではなく、サラダにカバルマ、ポテトフライ、ワインもボトルで。
 ご婦人二人と旅の話をひとしきり、なんでもベリコタルノボでひったくりに遭ったとかで、ブルガリアには好印象は持っておられない様子、タクシーやレストランでボラレてルーマニアには好印象の無い私とは対象的。あれやこれやで門限の9時近くまでゆっくり飲み食い、私的には楽しい夕食だったのだが、ご婦人方がどう感じられたかは定かではない。

9時の夜空はまだ明るさが残っている。宿坊のあちこちでは少しずつ灯りが点り始め。番犬のように飼われている犬を避けたり、団体専用大部屋に泊まっているらしき子供たちに挨拶をしたりしながら、宿坊の最上階まで上がって教会を上から眺めたり。

空もすっかり暗くなって来た所で部屋に戻る。パソコン開いて日記を書いているのが申し訳なく感じる、山間の宿坊の夜である。